江戸吉原。

※内容に残酷な表現があります。大丈夫な人だけ読んでください※





読書の秋っていうことで、新しい本を買いました。

「江戸吉原図主聚」三谷一馬 著

全656ページ。

持ってるだけで筋肉痛になりました。

タイトルで解ると思うけど、江戸の吉原について書いてある本です。

物語じゃありません。

絵画資料等に解説をつけて吉原遊郭について詳しく書いてあります。

遊女の生活だとか廓内の構造だとか登楼のしくみだとか。

記載されている文章のほとんどが昔の言葉で理解するのに時間がかかります。

だけど読めば読むほどにはまっていきますね。

前々から吉原というか、遊郭について深く知りたいと思ってて。

江戸にあった遊郭が吉原。

京にあったのが島原。

ほかにも点在したらしいのですが、有名と言えばこの2つですかね。

遊女はかんざしを沢山挿して綺麗な着物を着て、きらびやかなイメージがありました。

花魁道中とかね。有名だよね。

だけど、その裏には悲しい話が多いことも知っていました。

一度入ったら最低10年は大門から外へ出ることができなくて。

身請けされたら話は別だけどほとんどの人は出ることができませんでした。

親の借金のために売られたり、誘拐されて連れてこられたり、理由は様々だったようです。

吉原を囲んで鉄漿溝(おはぐろどぶ)という溝があって、脱走を試みても捕まってしまうものが多数。

出入りできる場所は大門だけ。

そこには岡引(おかっぴき)や門番がいて常に見張られていました。

中には自殺してしまう人も、心中する人も、殺されてしまう人もいたそうです。

小指を切って好きな人に送ったり。

当時吉原では本当に好きになった相手に誓いを立てるということで、小指をカミソリで切って送るなどしていたようです。

きっと現代で使われている、約束をする「ゆびきり」はここからきてるんだと思います。

あと悲しい話をもう一つ。

遊女の恋にまつわるお話。

本気で想う相手が居たとしても、その相手に身請けされるか年季が明けるかしないと一緒になることはできません。

普通の女の人として生きたいという気持ちがあったとしても、現実には遊女なんです。

好きな相手と所帯をもって子供を産んで育てて、という普通の生活を送りたいと思っていても夢でしかないと。

それでも夢をみていたいと思ったからなんですかね。

好きな相手と何日の何時と時間を決めて、お互い居る場所は違えど同刻に死んでしまうということもあったみたいです。

本当に悲しい話。

心さえ自由にならない時代が確かにあったんです。


この本には遊女たちの心情は書かれてはなく、主に吉原のしきたりや仕組みなどが書かれています。

だけどどうしてもその裏にあった遊女たちの心模様を考えてしまう。

決して面白い話ではないけれど、綺麗な歴史の裏にあるものこそが本当の歴史だと思っています。

悲しい話だからと言って蓋をするのではなく、そういう話だからこそ伝えていかなければならないんじゃないかと思います。

いまどれだけ自分が幸せなのか。

改めて考えさせられる。